ピロリ菌を殲滅した
このブログの年末年始には「胃カメラ」についてしつこく書いていた。振り返ると、初めて呑む「胃カメラ」に対する(若干の)恐怖に付き纏われたところに、悪友のハマダくんの恰好の餌食となり、いつの間にか増幅された状況だったのではないかと(なんでもないかのように)思っているが、この胃カメラを呑むという行為は、実は「ピロリ菌をやっつける」ための予備的手続きだったのだ。
従って、まず、胃カメラを呑んで、胃にも十二指腸にも潰瘍や癌がないことを確認したうえで、ようやくピロリ菌をやっつけるという所期の目的を達成するプロセスに進むこととなる。ピロリ菌をやっつける薬を飲む1週間が「禁酒」である必要はないそうなのだが、私の主治医は禁酒を必須としたので、薬は正月三ヶ日のどんちゃん騒ぎ明けに始めることとなった。薬の最終日の翌日、やたらゲップが出て、その息が酸っぱくて、おまけに下痢もして、体重が2キロ近く減った。しんどい副反応だなぁ、とか、それともただの偶然か、とか思っているうちに時間が経過。
薬を飲み終わって一ヶ月余、ようやくピロリ菌の検査を受けた。朝9時以降に飲み食いしてはいけないという禁止条項を遵守し、15時に受けたのは呼気による検査。ひと頃お酒シーズンに決まって要所要所で行われた抜き打ちのアルコール検査のような呼気検査だった。胃カメラを飲むのとは比較にならない楽な検査。癌もコロナもこんな検査だったら楽だろうなぁ、と思ったものの、この歳になると、治療のための検査を受ける手順を飛び越えて病気だということがわかるんだろうなぁ、とも思えて、なんとなく複雑な気持ち。
そしてその5日後に結果を聞きに行った。これは嫌やね。ピロリ菌が殲滅できていなかったら、またあの禁酒条項付の薬を飲まなければならない。そして、あの副反応。さらに、検査して結果を待つまでの鬱陶しい日々を過ごさなければならない。嫌やね。
結果、ピロリ菌は綺麗に「殲滅」されていた。
そこで改めて浮かんだ疑問が、胃がんの原因は本当にピロリ菌なのか?ストレスが胃潰瘍・十二指腸潰瘍を招き、それらが悪化して癌になる、のではないのか?
しかし、そのような疑問はいつの間にか意識の向こう側に姿を消し、病院を出て地下鉄に向かう途中で感じたのは、紛う方なき「空腹感」だった。不思議な感じだったが、納得できる空腹感だと思った。