「IT時代の”学び”を考える」(『One Purpose 新入生歓迎号』2001年4月)
今日も過去の座談会でお茶を濁す。
今回のテーマは、IT時代の大学での学び。20年前の新入生向けに熱く語っているのだが、今年1年批判の矢面に立たされた「遠隔授業」を折込んだ話になっているので、今読み返しても面白い。ちなみにこの4人は当時の広報委員だったが、いずれもマックユーザーだったので、妙にマニアックなところがなく、PCを使いこなしたい気持ちに溢れていたことを思い出す。
この当時からITを使った教育・研究に熱心だった神学部では授業の延長としてのBBSを活用しているとか、文科省も教員と学生が時間や場所を共有しないカリキュラムを認める方向だといった発言を読み返すと、この20年間の大学の努力不足を反省させられる。我々は、大学の立ち位置をどのようにすれば社会的責任を果たすことができるかを考える責任を負っていることを忘れてはいけない。ただ受験生を集めて、学生に満足感を感じさせればいいだけなのではないのだ。
日本人に高等教育を受けさせなければならないと新島が強く思った江戸時代末と今との間に果たして進歩はあったのだろうか?NHK「青天を衝け」を見て、大学の担っている社会的責任の重さを改めて感じている。