キャンパスに学生の姿が戻った!
先週中頃から、今出川キャンパスに学生の姿が見られるようになった。
地下鉄の北改札口から今出川キャンパスに入ると、生協食堂のテーブルに透明のアクリル板で仕切りが作られている。その前の広場のテーブルはほぼ満席でマスク姿の学生が歓談している。いやぁ、本当に久しぶりのキャンパスらしい景色を見た気がした。烏丸通寄りの大階段の上から下に向かって行列ができているのは、新学期には必ず生協書籍部の向いに設けられる教科書販売窓口に並ぶ学生たち。頌栄館と礼拝堂の間の広場にも談笑する学生の姿。HPを見る限り、キャンパスの景色がこんなに激変するとは想像できなかった。図書館出入りする学生、学部事務室のある良心館や至誠館に出入りする学生。ベンチはほとんど学生の2〜3人づれが占有している。
研究室に行くために至誠館に入る時と有終館に行くために至誠館を出るときに不思議な体験をした。学生が私に会釈をしながらすれ違うのだ。何十年ぶりの経験だろう。こちらの歩く速度も遅くなったのだろうが、右から来る学生も左から来る学生も、数秒後には自分と交差することが予想される私の姿を見ても、歩くスピードを少し下げて私を先に通そうとする遠慮は全くなく、私の直前を横切って行くようになっていた。「三尺下がって師の影を踏まず」は死語になったのだと思うと同時に「そろそろ定年か」とため息をついて久しい。私に会釈をしてくれた学生に新鮮な驚きと喜びを感じたのだった。
そう言えば、先週、まだ学生の姿がほとんど見られないキャンパスを、十数人の新入生らしきグループがいくつも上級生らしき2名に先導されながら歩いてくる姿を見かけたので、立ち止まったら、「百合野先生!」と私を呼ぶ声。図書館の方から二人の男子学生が息急き切って走ってきた。「監査論でAをいただきました!ありがとうございました」という二人は某体育会の学生だった。「マスクしているのに、よう分かったな」と言ったら、「先生の姿はすぐにわかりますよ。最終講義にも出席しました。大人の人が多かったですね」と、いくらでも話をする。リモート講義のこと、クラブ活動のこと、秋からのゼミのこと、とキリがない。そこで気がついた。どうやら、教授とリアルに話がしたかったのだ。
そう言えば、この日もそれ以降も、キャンパスに教授らしき姿があまり見られない。この分だと、対面授業が始まるまでのしばらくの間は学生から教授に向けられる尊敬の眼差しを一身に集めるという稀有な経験ができるかもしれない。(そんなにうまくいかないか・・・)