京都観世会1月例会
週末から非常に寒い日が続いていて出かけるのが億劫になっていたが、緑庵の岡田くんからチケットをもらっていたので、観世会館に出かけた。動機は、お正月の例会だったから。京都という町は年中行事で動いているといっても言い過ぎではないだろう。元旦は大晦日深夜からのおけら参りの続きで迎えるし、その数日前にはクリスマスもあるが、12月25日は「しまい天神」の方が京都らしい。となると、今日は、京都観世会の一月例会だろう。
道中はやっぱり寒かった。しかし、行ってよかった。大変充実した内容だったのだ。チケットは岡田くんが謡を習っている吉浪壽晃師を観て欲しいということでもらった(はず)なので、極端な話、吉浪さんだけを見にいってもいいわけだが、チラシを見ると能が4番と狂言が1番、片山九郎右衛門、観世清和、大江又三郎、茂山あきら、そして吉浪壽晃とくれば、全部観ないともったいない。しかし、10時開場、11時開演、17時頃終演、ということで「一日仕事」を覚悟しなければならない。
おまけに観世会館は寒いし、能と能の間の20分ほどの休憩時間で食事を取るのは至難の技だし、悪いなぁと思いつつも能の途中で眠ってしまうこともしばしば。(茂山さんの狂言では寝たことはない。念のため)で、今日の観世会館はやっぱり寒かった。多分、寒気だけではなく換気のせいもあったのだろう。出かける前に用意したはずの使い捨てカイロを忘れてきたことに気づいた時には、ちょっとオーバーだが愕然としたほど。20分ほどの休憩時間も、やはり食事を取るには窮屈だった。食堂のメニューはちらし寿司だけだったが、このちらし寿司が冷たかったのと喉周りの筋肉が冷えているのとで、ご飯がうまく食道を降りて行かないのだ。『町中華で飲ろうぜ』の玉袋筋太郎の決まり台詞のように「気道確保!」をすればよかったのだろう。
そして、正月早々申し訳ないなぁと思いつつも、途中でこっくりこっくりしてしまった「瞬間」もあったのだ。「瞬間」とは言い訳がましい書き方だが、自分の感覚では、寝入ってから目が覚めるまでは「一瞬」なので、一瞬としか言いようがない。しかし、プロでも眠るそうで、昔、商学部の英語の教授で狂言師もされていた宮井先生から「今日の能は上手すぎてちっとも寝られへん!」という話を伺ったことがある。
まぁいろいろあったのだが、総体的には最初から最後まで楽しむことができた。と、ここまで書いたところで日を跨ぎそうなので、今夜はここまで。