またもや公文書の改竄
今朝の朝日新聞1面の見出しを見てびっくりした。「国交省、基幹統計書き換え」「8年前から二重計上」「法違反の恐れ」「GDP算出などに使用」と並ぶと、ま、公文書の改竄・隠蔽・破棄が「もりかけさくら」以来「ごく当たり前に行われているんだなぁ」と改めてしみじみ思っている次第。18年末には厚生労働省の「毎月勤労統計」で不適切な調査が発覚したが、まだ残っていたとは、呆れて物が言えない。
報道されているように「基幹統計は、建設業界の毎月の受注実態を明らかにするもので、統計法に基づく調査規則は、調査対象の期間を1カ月と明示している。しかし実態は、その目的とはかけ離れた受注実績のデータを使い、集計していたことになる」のであれば、「複数の国交省関係者によると、書き換えは年間1万件ほど行われ、2013年度からは同じ業者の受注実績を『二重計上』したものが含まれていた。建設業の受注状況が実態より過大になっており、統計法違反に当たる可能性もある」などと曖昧なことで許される問題ではなく、明らかに法違反だろう。意図的にやれば、それは不正以外の何物でもない。
日経によれば、「国交省は『処理は適切ではなかったが、違法には当たらないと認識している』と話している」そうだが、何を根拠に違法には当たらないと言えるのだろうか。また、「斉藤鉄夫国交相は『大変遺憾でおわびする』と陳謝した」そうだが、「首相は『20年度、21年度のGDPには直接影響していない』と言うとともに「21年度補正予算案の修正は必要ない。予算審議を進めることが政治の責任だ」と強調したとのこと。
しかし、仮に「20年度、21年度のGDPには直接影響していない」から「21年度補正予算案の修正は必要ない」と言い切るのであれば、その根拠を示す必要があるだろう。しかし、その根拠となる証拠やデータが改竄されていないという保証をどのように説明するつもりなのだろうか。
野党をけなす時に「政権の批判ばかりして」という理由づけが行われるが、「もりかけさくら」以来常態化していると推測される公文書の改竄・隠蔽・破棄が姿を消さない限り、まずは批判せざるを得ないではないか。政府の行なっていることが信用できないのだから。
本当に、この国は一体どうなってしまったんだ?