32.16
昨日、二つの補選が行われた。そのうちの参議院補選徳島高知の投票率を聞いて私はびっくりした。なんと、32.16%!1/3にも達していないのだ。もう一つの衆院補選長崎4区も似たり寄ったりの42.19%。この国の人たちが選挙の意義を全く認識していないことがよくわかる。
私はかねてから政治家に投票率の低さの責任を取らせるために、次のような提案をしてきた。
1 投票率が50%を下回った選挙区についてはその選挙を無効とし、当選者を認めずに議席は次の選挙まで空席とする。
2 日本全体の投票率を政党交付金の算出に組み込む。具体的には、本来の政党交付金の金額に投票率を乗じた金額を政党に交付することとする。
3 企業献金は、以前のように禁止する。
このようにすれば、国民に向かって政策をアピールし、全ての有権者に投票してもらうことの重要性を認識する政治家・政党が現れるのではないか、と思ったのだ。そうでもしなければ、この国の政治はますます一般国民から乖離したものとなったままではないだろうか。
選挙のたびに、日本の「民主主義と称する仕組み」の欺瞞性に嫌気がさす。
小さな選挙区で当選した人でも政党の要職について上り詰めれば総理大臣となってこの国を支配することが可能となる仕組みは、持株会社の仕組みによく似ている。少額の資本で巨大企業を支配することが可能となるので、独占禁止法は長きにわたって持株会社を禁止してきているとゼミの岡村正人教授の経営学で教えられた。
その小さな選挙区の選挙民を手懐ける方法には、「桜を見る会」や「観劇会」に招待することが考えられるだろう。そのような行為を選挙違反で摘発しないなら、一旦権力を手にした人の権力を剥奪することは不可能に近い。もしもその権力者に子供がいたら、親の権力は相続されることとなる。民主主義社会では、選挙でお殿様が作られることとなる。
新島襄は選挙で将軍を選ぶ国に憧れを感じてアメリカに密航した。今の日本の現状を見たら、新島襄はどのような感想を持ち、そして、どのように行動するだろうか。
そうそう、最初に「次のような提案をしてきた」と書いたが、講義を通して受講生諸君に提案してきたにすぎなかった。したがって、大きなうねりを産むには至らなかった。
私は政治に無関心で選挙の構造自体よく分かっておりません。選挙というのは「落選すれはただの人」とか「選挙は食うか食われるかの戦い」で、政治に関わるとろくな目にあわないので、保身のために「政治には無関心」をよそおっていた方が安全だと考えていました。
中学校時代の親友が父親の市議会議員の選挙に駆り出され、普段は温厚で人格者だと思っていた友人が「役にたたへん運動員(?)を2人解雇したった」などと言ってるのを見て「選挙って人の性格までも変えてしまうんだなあ」と思い余計政治から遠ざかることになりました。
今年の明石の市長選挙は泉房穂市長から後継者指名を受けた丸谷聡子氏(同志社大学総合政策部の出身です)が、西村康稔氏の応援を受けていた林健太氏を破り当選しました。僕は泉房穂氏のファンだったのでこの選挙に強い関心を抱きました。先生のおっしゃる通り「選挙で世の中を変えられる」との自覚をもって、「政治に無関心」というスタンスを変えようと思いました。