火星人はなぜタコなのか?
NHKのチコちゃんを見ながらこのブログを書いている。
火星人の絵を描いてもらったらたいていの人がタコのような絵を描くのはなぜなのか、の答えが「ウッカリしてウッカリしてドッキリしたから」という正解を言い当てるのは難しいが、タネあかしは私でも知っているシンプルなものだった。
火星の表面には筋が見える → その筋は運河 これが翻訳間違いによる第一のうっかり
火星の表面の筋は運河 → 運河を作れる高度な知能を持つ火星人が火星には住んでいる これが第二のうっかり
火星人は運河を作れるほど知能が高い → 頭でっかち と来たところで、HGウエルズの『宇宙戦争』の話になって、アメリカのラジオドラマ『宇宙戦争』が全米をパニックに陥れたという有名な話につながった。
私も子供の頃から何度この『宇宙戦争』の物語を読んだことか。出版社も翻訳者も覚えていないが、とにかくストーリーが面白かった!遠くの大きな都市が燃え上がっている挿絵まではっきりと思い出すことができる。
しかし、それ以上に迫力があったのは、ジーン・バリーが主演した映画『宇宙戦争』。最初から最後までドキドキしながら見た記憶がある。しかし、調べてみるとこれは1954年製作ということなので、5歳の私が封切時に見たはずがない。中学生の頃に放映されていたTVドラマ『バークにまかせろ』の主役だったジーン・バリーのイメージとかぶったわけではないと思うが、とにかく印象が強かった。
さらに、スピルバーグとトム・クルーズが組んだ『宇宙戦争』も面白かった。特撮が見事だったが、ストーリー自体は1954年の『宇宙戦争』を踏襲していたので、ま、悪く言えば意外性のない内容だった・・・が、実はこれらとは全く違う『宇宙戦争』を、最近WOWOWで観た。これが上の二つの映画とは違った意味で、実に面白かった。
20世期に入ってまもないイギリスに火星人が攻めてくるという話を、当時のイギリスの社会的背景を描きながら展開させるのだが、映画版とは全く違うストーリー展開にとまどいながらも、「ありうべき話」として次第に説得する自分がいることに気づかされるのだ。
今我々が置かれているCOVID19の社会は、ひょっとしたら巷間噂される「インフルエンザ並みの流行り風邪」にオタオタしている社会ではなく、遠い昔に火星人が地球に仕込んだウイルス(と地球人が取り違えてしまうもの)が時限爆弾のような役割りを果たしつつ、次第に深刻な影響を地球人に及ぼしつつある初期段階だとしたら、どうだろう。この先一体何が起こるというのだ? 恐ろしくはないか?1年かけて解ってきたことの蓄積はCOVID19のこの先の成り行きには何ら役に立たないのだ。
私は子供の頃から大学生の頃まで、実にたくさんのSFを読んだ。筒井康隆のぐちの中に「このSFが!」と差別された話が度々出てくるが、ほら話の集合体のようなSFにもう一度着目する若い人たちが出てくれば、ちょっとは日本も成長するのではないだろうか。何しろ、SFは「仮定の話の貝塚」なのだから。